成功の散歩道 YA by Yoshinori Akazawa

4-2 平凡の中の非凡

インドから帰ってボクは白いご飯とみそ汁が一番ありがたかった。
伝染病の検査をしに保健所を訪れもした。
結果が出るまでにたくさんたまったフィルムを現像にだす。
だめでもともととおもいながら旅行者を通して航空会社にクレームを出しにもいった。FAXを送ったり電話していただいたが全く何の連絡もないままだった。ボクは自己管理の必要性と緊急時のリスクについて身にしみる思いだった。
幸い伝染病は何もなく。

夜勤のホテルのフロントも再開することにした。責任者が暖かく迎えてくださった。一ヶ月遊んでいたので仕事がなれるまで一ヶ月はかかった。

そのうちに大学の授業も始まり新しい課題の取材を重ねたりするうちに日々はあっという間に過ぎ去る。
家族からはインドから帰ってきたときの肌が一番きれいだったと言われた。男だから肌のことはあまり気にならないが添加物やらその頃のインドはあまり入っていなかったのかもしれない。

新しい日本画の制作の課題で写生をするために京都市内をバイクで走り回っていると京都の山並みの美しさを初めて感じられるようになった。

子供の頃の遊び場だった花山稲荷の参道の桜並木を写生したい衝動に駆られて写生した。これがインドから帰って初めてボクが感じたありのままの日本である。

夜勤のバイトにバイクで通う道の途上で山科が一望できる夜景の名所が有る。夜景がとても美しく感じられるようになったのはネパールで電気が二日に一日しかつかない生活を体験したことのおかげであるだろう。

インドに行くまでに目にも留めなかった日常が非凡な美しさを持ってボクにむかってくる。これはとても貴重な経験であったとおもう。

平凡の中の非凡。これがぼくの芸術に対する基本的なポリシーとなったのはこの頃からと言えるだろう。
by surfstar2021 | 2006-04-12 20:37 | 赤沢嘉則のインドスケッチ1993