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成功の散歩道 YA by Yoshinori Akazawa

1-4  カルカッタの朝

アユタヤ遺跡を後にしてバンコクへと翌日列車で戻り、インドの東側の都市カルカッタめざして18:15飛行機は飛び立った。
タイは思った以上に居心地がよかったのでもう少しトランジットしておけばよかった・・・と思っている。エアーインディア社の飛行機の機内はインドの雰囲気が漂っている。事前に気になっていたテロの雰囲気はみじんもなかった。が、しかし帰路にこの航空会社とショッキングなアクシデントが起こることは行きの便では想像もつかないことであった。私は生きて日本に帰れるのだろうかと必要以上に心配したことが自らの帰路を危うくしたのだと10年を超えた今になってあらためておもうことである。
今回の旅行は本質的にはとても贅沢な旅行だと思う。貧乏を求める旅では決してないのである。飛行機の窓から夕暮れの色彩がだんだん夜の色彩に変わっていく。
a0006808_12534865.jpg19:15カルカッタに到着。短いフライトだがあたりはもう夜である。税関はとても簡単なもので お金をインドのお金に両替しながら 私は安宿街まで一緒にワリカンでタクシーにのれそうなパートナーを目で物色していた。
こういった個人旅行ではそれなりの同類の仲間が必ずいる。そのころ私は大学生だったので大学生の連れを探した。日本人はそんなに多くないので声をかけると友だち連れの男子学生2人と一人旅の女性(サリーぽい衣装を着ているので旅なれていると一目で分かる)と一緒にタクシーに乗ることになって空港から向かう。

少し市街から郊外に空港はあるので道路の明かりはオレンジ色で夜空は深い闇の色を醸し出している。
宿はとれるのだろうか?と 少し心配に思う反面、なんとかなるよ。No problemさ。と思うあっけらかんとした自分がいつも会話をしている自分に気がつく。

タクシーは少し明るい住宅街のような低いビルの建ち並ぶような場所に入り込んで、しばらくして安宿街に到着した。ついたところはけっこう細い路地に、夜なのに子供がうろうろして屋台の店が少しあったりしてけっこう変なところ。他の三人とタクシー代を割って、彼らとはその場で分かれた。どうしてかというとドミトリー(多くの人が一室で寝泊まりするタイプの安宿)では寝泊まりしたくないからだ。彼らはそういうタイプの旅行を経験することが旅の目的らしい感じがした。

ボクは以前中国に旅行をした際にそういう部屋に泊まることになったが麻薬中毒のようなのがいるとかなりヤバいので一人のときにはパスすることにしている。

何人かホテルの誘いがあったが、リキシャー(人力車)にのってホテルを頼むことにした。こういう人にホテルを頼んだ方が好い場合もある。連れてきてくれた宿は窓のない3畳くらいのコンクリートの部屋、スカイブルーのペンキの塗ってあるベットが一つあるだけの部屋。窓がないのでしまった・・と思ったが空路で少し疲れているし、一泊だけ泊まってみて次の部屋を探せば好い。とりあえず感謝してこのホテルに決めた。部屋代を前払いしてリキシャーの青年にありがとうといおうとしたら“This is business.(これは仕事なんだ)”とおこられた。運賃を払うのを忘れていたのではらった。Thank you.

宿が決まったので水が必要。ミネラルウオーターを買いに夜の町へ繰り出す。インドの歌謡曲が流れる狭い道路をはさんで両側に少し雑貨屋や屋台が建ち並ぶ。屋台ではChinese Foodなる Chowmen(やきそば)なんかを売っていた。ヤシの実もひとつまるごと売っている。滞在中はなかの透明なジュースをよく飲んだ。ボクはバナナとミネラルウォーターとインドのスポーツドリンクの粉末を買って 宿に戻り、そのままぐっすり眠り込んだ。a0006808_13393854.jpg
翌朝、起きて、部屋を出て次の都市に向かう切符を手に入れるためにカルカッタの駅に向かった。朝、結構早かったのもあって人通りは少ない。路地に毛布をくるまって寝ている家族らしき人々も何人かみた。インドは夜も朝も結構暑い。日本の2月の気候ではないくらい暑い。

駅に向かう途中で大通りを横切って公園を抜けていくと地図上では近いので公園の中に入っていった。大きな木の根元でチャーイ(紅茶に砂糖やミルクなどを混ぜたもの)売りが座って通勤途中の男性にお茶を入れている光景を見かけた。チャーイは木の根元でガスバーナーのようなもので小さな手つき鍋のようなものを火にかけてお茶と砂糖、ミルクなどを一緒に煮詰めてぐい飲みみたいな小さなコップに少しだけ注がれる。かなり濃く、甘いので少しで十分である。
大樹から木漏れ日がこぼれ、チャーイを煮詰める煙が白く立ち上がる光景は白いカーテンが動いているように思えた。
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カルカッタの朝。
by surfstar2021 | 2005-08-15 06:36 | 赤沢嘉則のインドスケッチ1993